痛みの治療

当院の痛みの治療

当院の痛みの治療
当院では、がん治療とともに、痛みのケアにも力を入れています。動物たちにとって、わけもわからず痛みを感じるのは大きな苦痛であり、恐怖ですらあります。ワクチンや狂犬病の注射のときには、飼い主さまの協力の下、気づかないうちに終わるようにするなど、なるべく痛みを軽減できるようにしています。 また、がんによる痛みをはじめ、関節炎や腰痛など整形外科分野の痛みなど、犬・猫の体に生じるさまざま痛みについて、適切な方法で対処します。院長は重度な痛みに対応するための麻薬施用者免許を取得し、モルヒネ注射やフェンタニルパッチなどにより効果的な治療を実施しています。手術による強い痛みの管理にも積極的にモルヒネやフェンタニルを使用しています。

腰痛や関節の痛みに対して

腰痛や関節の痛みに対して
患者で多いケースはダックスフンドなど胴の長い犬種だけでなく、体重が増えてしまった多くのワンちゃんに腰痛(椎間板ヘルニア)が認められます。中高齢になると関節炎による慢性的な痛みが問題になります。スコティッシュフォールドなど、生まれつき関節炎のリスクの高い品種の猫がいます。多くの場合、痛みを抑えてあげながら処置を行っていきます。

痛みの治療について

関節痛の治療としては、①安静にする、②消炎鎮痛剤の投与、③体重管理と筋肉維持のアドバイスを主な治療とし、飼い主さまにも必要なことを説明、助言します。

関節炎は高齢動物に多く発生しますので、長期間の鎮痛剤の投与による腎障害や胃潰瘍のリスクが問題となります。最近では一回の注射で1カ月間痛みを緩和する治療法をお勧めしています。抗体医薬のため、痛みにターゲットをを絞って効果を発現し、副作用が出にくく、高齢動物にも安心して使用できます。犬用も猫用もあり、関節炎の他にがんの鎮痛や猫の難治性口内炎の鎮痛にも効能外で使用できます。

そのほか、関節軟骨の再生を促す注射の治療やサプリメントの投与など痛みの軽減に有効と見込めることを実施。健診などで適正体重がわかっている場合、普段の生活のなかで、それを維持するように食事療法を行い、軽くなってきたら適切な運動で筋力維持を実施することを飼い主さまの役割としてお話ししています。また手術の後のリハビリ的な散歩の方法などもアドバイスしています。

変形性関節症(OA)の痛みのチェックリスト

  • 運動後に脚を引きずる
  • 散歩でノロノロ歩く
  • 立ち上がる動作がゆっくりになる
  • ジャンプが苦手
  • 動作がぎこちない
  • 階段が苦手

痛みのケア

痛いのはみんな嫌なもの。元気がなかったり、食欲がないのはもしかしたら「痛み」のせいかもしれません。ワクチンや手術にどうしても伴う注射の「痛み」の症状に対する「痛み」の軽減に力を入れています。

注射の痛み

ワクチン接種や狂犬病予防など注射が苦手な子も多くいます。
当院では、恐怖心を少しでもやわらげるために飼い主さんにご協力を頂きます。
飼い主さんの体にぴったりと密着させて抱っこしていただきます。まずは病院内で安心してもらうことが重要です。頭をなでながら声をかけ、本人が気づかないうちに注射を行います。

注射の針をみせないように針をさします。

注射の針をみせないように針をさします。

必要に応じて極細針で注射を行います。

必要に応じて極細針で注射を行います。

手術の痛み

手術の痛み

手術には必ず痛みを伴います。痛みをできるだけ最小限にするために、当院では術前に先制鎮痛(先取り鎮痛ともいいます)を行います。これはペットが痛みを感じる前にブロックすることで痛みを最小限にしようとするものです。
手術中は麻酔により痛みは感じませんが、麻酔から覚める頃に術後の鎮痛を行います。
手術前、手術中、手術後の痛みを積極的にケアすることで、痛みを取るだけでなく回復が早くなることが報告されています。

手術の内容により予想される痛みの大きさは異なります。
比較的痛みの軽い去勢手術や歯石除去(スケーリング)等の歯牙処置から、中程度の痛みが予想される不妊手術等の開腹手術、強い痛みを伴う大きな手術まで、予想される痛みのレベルに応じて鎮痛剤を選択しています。
重度な痛みに対しては、強力な鎮痛効果のあるモルヒネ注射や3日間続くフェンタニルパッチを使用する場合もあります。

介護が必要なペットについて

介護が必要なペットについて

大切に面倒をみてもらえるようになったことで、犬や猫の寿命は飛躍的に伸びています。そんな中で、高齢になったワンちゃん、ネコちゃんの面倒を見ている飼い主さんも増えてきました。

寝たきりのワンちゃんネコちゃんには症状に合わせた環境作りとケアが大切です。
介護用品の選択やご自宅でできる応急処置まで、ご家族の方と相談しながら個々のワンちゃんネコちゃんに最適な方法を一緒に考えていきます。
また、病院までの移動が負担となる場合には、往診も対応しておりますのでご相談ください。
写真のワンちゃんは断脚手術によりがんを克服しました。手術後には立ち上がれずに、ずっと介護をしていくことを考えていましたが、徐々に元気を取り戻し今では補助なしでも散歩が可能です

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