10歳齢、去勢済雄のチワワ。
毎年夏には膿皮症(細菌性皮膚病)を繰り返しています。
飼い主さんは以前よりお腹の皮膚が黒ずんでいるのが気になっています。
歳を増すごとに皮膚の症状が強くなり、慢性の膿皮症は治りにくくなりました。
前肢の内側の脱毛と尾の脱毛が目立つようになりました。

そこで中高齢の犬に多いホルモン異常である甲状腺機能低下症を疑い、血液検査を行いました。
甲状腺ホルモンが足りなくなることで代謝が悪くなり、燃焼しなくなるため体重が増えてきます。
皮膚のバリア機能の低下で皮膚病が治りにくかったり、脱毛が認められることがあります。

検査の結果、甲状腺機能低下症と診断がつきました。
不足している甲状腺ホルモンを毎日補給する治療を開始しました。
治療を始めると速やかに動きが活発になり、体が引き締まってきました。
1ヵ月後には3.7kgあった体重が3.3kgに減り、軽やかな動きになりました。

投薬1か月を過ぎた辺りから発毛し始め、ネズミの尾のようになる典型的な尾の脱毛(ラットテイル)が改善しました。


前肢の内側の脱毛も改善し、フサフサしてきました。
粗剛だった毛質も柔らかくなりました。

発毛と同時に慢性の膿皮症も改善しました。

調子が良くなり、現在もホルモン剤の投薬を継続中です。

レオどうぶつ病院