アレルミューンを使用した減感作療法により改善した 難治性膿皮症のヨークシャーテリア
ランチちゃんは5歳齢のヨークシャーテリア。3歳頃より体の痒みが強くなり、全身の皮膚に膿皮症(細菌性皮膚病)を認めるようになりました。シャンプー療法と抗生物質の投与で改善傾向を認めますが、しばらくすると再発します。
皮膚のバリア機能不全を疑い、保湿等皮膚のケアに力を入れ、痒み止めの薬なども併用しましたが、どうしても皮膚病をぶり返してしまいます。
難治性の皮膚バリア機能不全の背景には基礎疾患が絡んでいることがあります。そこでアレルギー検査を行いました。
アレルゲンIgE検査では食物や花粉などには反応が見られなかった一方、ハウスダストのダニに反応が見られ、特にハウスダストのダニのタンパクであるDer f2 IgEにおいて著高を認め、犬アトピー性皮膚炎を疑いました。
そこで、アレルミューンという注射を使った、Der f2タンパクに対する減感作療法を行いました。
減感作療法は犬アトピー性皮膚炎の主なアレルゲンの一つであるハウスダストに含まれるタンパク質を、週1回ずつ徐々に用量を増やしながら、6回の注射で症状を改善させるものです。
3週目の注射頃より徐々に皮膚は落ち着き、6回目の終了時には比較的良好な皮膚の状態となっていました。
その後は3ヵ月に一度、追加の注射をするパルス療法を継続し、今年は蒸し暑くなった現在も皮膚病の薬は不要となりました。
本人の痒みから解放され、ストレスフリーの生活を送れるようになりました。