13歳のミニチュアダックスが急に元気がなくなり、嘔吐と食欲低下を主訴に来院しました。 
血液検査より肝パネルの増高と炎症マーカーであるCRPの上昇、血小板減少を認めました。
レントゲン検査では肝臓と脾臓の腫大を認め、

エコー検査では肝臓と脾臓実質の模様の変化を認めました。

下痢と食欲廃絶のため点滴治療を行いましたが、入院中に鼻出血を認め、血小板が少ないために止血に苦労しました。

第4病日の血液検査では黄疸と血液凝固異常を認めDICの状態となり、2次診療の予約を取りながらもDICの治療とステロイドの投与を開始しました。
ステロイドを投与した夜より少しずつ食べ始めました。第8病日、2次診療施設にて肝脾型リンパ腫の疑いであり、予後不良であると診断されました。
このタイプのリンパ腫は治療反応に乏しいことが多いが、まれに効果があることもあるとのことでした。
診断日より可能性にかけた化学療法を開始しました。黄疸と血液凝固異常は徐々に改善し、DICの状態は脱しつつありましたが、好中球数の増高と急な低下を繰り返し、血小板減少に加え貧血も発現しました。状態は安定しませんでしたが、調子に合わせて使えそうな抗がん剤を選択して治療を継続しました。
治療開始から1ヶ月後、ほぼ寛解の状態となり体調も安定してきました。

肝臓・脾臓の腫大もなくなりスッキリとした体型に戻りました。

治療開始から間もなく6ヶ月。まもなく化学療法卒業の予定です。
難治性タイプであることから、徐々に治療の間隔を空けていくこととしました。

レオどうぶつ病院