エルザちゃんの左前肢手根部に発生したしこりは急速に増大しました。

部分的な組織検査の結果は線維肉腫。
可能性に掛けて切除手術に挑みましたが、腫瘍は底部の筋肉や腱、神経や血管を巻き込んでいて残念ながら切除不能でした。

高齢になったエルザちゃんを今後どうするべきか飼い主さんと共に悩みました。断脚手術をすれば、がんは治る可能性もあるが術後の介護が必要になるのか。放射線療法ならば根治は期待できないが一時的にでも腫瘍の勢いを抑えて、余生は前肢を温存して過ごすか。考えている間にも腫瘍は増大を続け、遠隔転移のリスクも上がってきます。

しばらくして、飼い主さんが断脚手術を希望して再来院しました。たとえ寝たきりになっても最後まで介護する。飼い主さんには強い信念がありました。実はご主人の海外転勤を直前に控え、がんを乗り切って一緒に連れて行きたいという考えがあったのです。

断脚手術は無事成功。術後しばらくは自由に動けない時期もありましたが、日に日に元気を取り戻していく姿は、産まれたばかりの子犬が立ち上がって歩き方を覚えて行く姿のようだったそうです。今では名前を呼ぶとすくっと立ち上がり、散歩でも引っ張って行くほどに改善しました。寝たきり介護の心配はいらないようです。今後は関節の負担を考えて、さらにダイエットに励みます。

今日は初めてのグルーミング。リボンを付けてもらって、いつもの家でのシャンプーとはちょっと違います。

レオどうぶつ病院