8歳のトイプードル。幼犬の頃より停留精巣と言われ、精巣はどこにあるか確認できなかったとのことでした。
最近になり内股にしこりが急速に増大し、去勢手術を希望して来院しました。

診察では両側鼠径部(内股)に精巣を認め、腫瘍化した鼠径部停留精巣を疑いました。
レントゲン検査では肺転移や腰下リンパ節群の腫大は認めず、手術を行うこととしました。


術後の病理組織検査では精巣は両側ともセルトリー細胞腫と診断されました。

精巣腫瘍は早期であれば去勢手術により根治することが可能ですが、進行すると転移したり、不可逆性の貧血を起こし命に関わることもあります。
停留精巣は陰嚢に治まった精巣と比べ、精巣腫瘍になるリスクが高くなります。鼠径部停留精巣では7倍、腹腔内停留精巣では30倍のリスクとも言われていますので、早めの去勢手術を検討すると良いでしょう。

レオどうぶつ病院