11歳のジャックラッセルテリア。5年前に前胸部皮膚の腫瘤を切除。低悪性度の皮膚肥満細胞腫と診断されました。半年後に右大腿部皮膚ににφ2㎝大の肥満細胞腫が発生し、多発型肥満細胞腫として経過を観察していました。その後も体表部にはいくつかの肥満細胞腫が発生しましたが、しこりは増大や縮小を繰り返しながらも維持していました。

半年前、前胸部発生した腫瘤は増大と縮小を繰り返しながらも徐々に増大し、φ5㎝大となりました。細胞診を行い肥満細胞腫と確認しました。体表部に存在する他の腫瘤と違い、増大傾向が認められたため外科切除を行うこととしました。

細胞診所見からも低悪性度の皮膚肥満細胞腫を疑いましたが、腫瘤辺縁から約1㎝のマージンを取り、切除しました。

鎮痛剤としてフェンタニルパッチを貼りました。

術後の病理組織検査の結果は肥満細胞腫グレードⅠ-Ⅱ(低グレード)。完全切除できていたために術後の抗がん剤治療は行わず経過観察としました。

術後4カ月目の来院時には再発所見は認めませんでした。

レオどうぶつ病院