全身の皮膚乾燥と脱毛を認めた犬の皮膚糸状菌症
11歳のトイプードル。慢性的な全身の乾性脂漏症がが悪化して来院しました。
保湿系のシャンプー剤とコンディショナーで保湿を続けていましたが、フケが更に多くなってきました。
皮膚に痒みや痛みは認めません。
レボリューションの滴下により、外部寄生虫の除外をしています。
今回は皮膚糸状菌の鑑別にフケの培養を行いました。
約2週間後、白い綿毛状のコロニーが発育し(おそらく黒いのは雑菌)、黄色かった培地が赤変しました。
皮膚糸状菌症と診断し、抗真菌剤の内服と抗真菌剤シャンプー「マラセブ」での薬浴を指示しました。
約1ヵ月後、皮膚の状態は改善傾向。フケは軽減し、発毛が認められました。
以下は、各部の治療前(左)と1ヵ月後(右)です。
皮膚糸状菌はかなりしつこいので長期の治療が必要となることがあります。
本日は、1ヵ月検診で血液検査も行いました。
投薬による肝臓等の変化も認められず、抗真菌剤療法を継続といたしました。