犬の乳腺腫瘍は良性と悪性の比率が半々ですが、猫の乳腺腫瘍8割以上が悪性であると言われています。
悪性の乳腺腫瘍は進行すると肺転移を起こしますので、なるべく早期にしこりだけでなく、片側乳腺組織全切除をすることが効果的です。

症例は21歳の超高齢猫さん。人の年齢では100歳になります。
数ヶ月前に見つけた腹部のしこりが急速に増大してきました。

来院時、右第4乳腺部にφ3.4×2.8cm
本人も気になって舐めるので、しこりの表面は自壊しています。
猫の悪性乳腺腫瘍を疑い、治療法を検討しました。

腫瘍の進行度からは肺転移が出てくる可能性があります。
21歳の高齢であることからオーナーとの相談の上、積極的な外科切除は行わず、QOL(生活の質)の維持に努めることとなりました。

自壊した腫瘍の保護に、ぴったりサイズの猫用エリザベスウェアをご用意しました。
毎日の創部の処置時にはすぐに脱がせることができ、着用したまま排泄も可能です。

エリザベスカラーを装着するストレスもないので、服を着ることに抵抗のないネコちゃんにはお勧めです。

レオどうぶつ病院