9歳のミニチュア・ダックスが左鼻が腫れたと来院しました。
左上顎の犬歯は歯肉が後退し部分的に歯根が露出していました。犬歯根部の歯周炎から鼻腔に波及した炎症を疑い、抗生物質の治療を行いました.

抗生物質が良く効き、すぐに腫れは引きました。しかし、1か月ほどするとまた腫れて咳やくしゃみなどの症状も出てきました。その都度、抗生物質で抑えて…。何度か繰り返し、根本的には犬歯を抜歯しないと治らないと判断しました。しかし、この犬歯は少しのグラつきもなくしっかりしているので、飼い主さんも何とか残してやりたいと歯周ポケットのレーザー治療を行うことにしました。

まずは目に見える歯石はハンドスケーラーで除去して歯磨きをします。

次に歯周ポケット内のレーザー照射。

照射時間はほんの数秒です。
最後にポケット内に抗生物質の軟膏を入れて終了。

1-2週間に一度治療を行いましたが鼻は腫れなくなりました。
レーザー治療を始めて7ヶ月。現在は飼い主さんのご希望で3-4週に一回の照射を続けていますが、鼻が腫れることはなく抗生剤の服用が必要となることもありません。
無麻酔で行う場合、おとなしい子限定ですがなかなか良い治療だと思います。

レオどうぶつ病院